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蟻の一穴 昨年、東京の某大手文具店のデパートに入っている支店に行った時のこと、品の良い老婦人が筆記具売り場で店員に、シャープペンのことを聞いているところに出会った。 婦人は、受験生の孫にプレゼントをするようで、三菱のアルファゲルの前で店員に使いやすいかどうかと訪ねているのに、Zeroシンと混同していたり、これは疲れにくいのかと聞かれてもうまく答えられなかった。 某大手文具店は店員の水準が高いので信頼しているきたきつねだが、自分の売っている商品に関する知識不足のあまりの酷さに耳を疑ってしまった。アルバイトかなと思ったが、どうも違うようだった。 玉石混交のウェッブ掲示板の２チャンネルの文房具板をのぞいてみたところ、その支店のあまり芳しくない話がでていたので、やはりと思った。 「蟻の一穴」という諺もあるが、わずかな綻びが本体に大きく影響することもあるだろう。商売と言うのは物が売れるのではなくて、人が物を売るのだろうから、人はきちんと育てたいものだ。 （2004.1.5） |