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定番になった文房具 透明軸ボールペン 今事務用のボールペンの軸は、中のレフィルのインクが見える透明軸がごく普通だ。でも、昔からボールペンの軸が透明だったわけではない。日本で発売された透明軸のボールペンはＢＩＣが初めてだと記憶しているが、今でいうトランスルーセント（半透明）のものだった。 本当の透明軸のボールペンは昭和４２年にゼブラから発売された「クリスタル」が最初である。「見えーる、見えーる」のＴＶコマーシャルもあって、爆発的に売れた。国産のボールペンは木の軸のものが多かったので、インクが減るのが見えるというボールペンは画期的な商品だった。 この商品でゼブラはボールペンメーカーとしての地位を確実なものにした。その後、売れる商品は直ぐに真似をするというのは文房具業界の掟のようで、各メーカーが透明軸を発売して、現在ではごく当たり前の商品となった。 ボールペンほど簡単に作ることのできる筆記具はない。レフィルさえあれば、軸は非常に低レベルの工業技術でできる。軸にレフィルが入る穴を開けることができればいいのだ。インドネシアで見た手作りボールペンは、日曜大工用の電気ドリルで木の軸に穴を開けていた。だから、真似はいくらでもできるのだけれど、やはり独創的なアイデアには敬意を払うことも必要ではないだろうか。 (2001.10.9) |