文房具メーカー評 プラス

プラスは、これまでこのコラムで取り上げてきた「チームデミ」、「コピージャック」などのヒット商品が印象に強い会社だ。子供の頃、文具店で見ていても何かひと味違うメーカーという印象があった。

戦後創業のプラスは、これまで取り上げた三社と比べると、歴史は浅いが、逆に文房具・事務機の総合メーカーとしての若さが感じられる。それは、製品のデザインや色の違いに出ているような気がする。最近はいまひとつピリッとしないが、商品開発やアイデアを実行に移す行動力があるのだろう。

それが、アスクル、Biznetなどのネット通販の隆盛、ジョインテックスといった流通システム改革に繋がっていると思う。

しかし、企業もある程度の規模になると、保守的になるというか大企業病というか、つまらない商品を力で売ろうとするような傾向がでてくる。「チームデミ・ミュゼ」という大人版「チームデミ」に、一つの病の徴候を見ている。きたきつねには、ただ材質や仕上げにこだわったというだけで、ターゲットの不明確な商品としか見えない。

(2003.2.3)

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