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■カンミ堂 どこでもマグネット プレミアムインセンティブショーで「どこでもマグネット」を初めて見たときに、非常に面白い商品だと思うと同時に、売るのが難しい商品だと思った。ようするに、使い方をどうユーザーに訴求できるかがハードルになる商品ということだ。逆に、一度使い方が判ると、ユーザーは確実にリピーターになるし、口コミで宣伝してくれるようになる種類の商品でもある。この種の文房具はこれまでも沢山あったと思うが、メーカーは売り方を文具店に任せたままにして、単純に売れないから廃番ということになっていたはずだ。 「どこでもマグネット」は、名前の通り、小さな鉄板を入れた粘着剤のついたプラシートを使うことで、鉄製品以外の場所でマグネットが使えるというものである。マグネットは従来のフェライト磁石の約10倍といわれる強力なネオジウム磁石を使っているので、小さな鉄板でも保持力は十分だ。 発売元のカンミ堂の取った戦略は、インターネットを活用することだ。ホームページと立ち上げ、商品の解説だけでなく、使い方の提案、販売店情報、ユーザーの声のBBSなどインターネットを多角的に使っている。ユーザーの欲しい情報が確実にある。テレビや雑誌の広告にくらべてインターネットを使うとこんなダイナミックな広告宣伝ができるという良い例かも知れない。大メーカーが大金を使ってホームページをただのカタログにしているのと比べると雲泥の差だ。 （文具と事務機 2005年11月号掲載） |