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■パイロット フリクションライン 昨年１１月末に、パイロットから消すことのできるラインマーカー「フリクションライン」が発売になった。これまでも三菱鉛筆の「プロパスイレーザブル」のように、消すことのできるラインマーカーは、数社から発売になっているけれど、全て消しゴムでインク剥がしとるタイプだった。 「フリクションライン」は、それらとは全く違う原理で、摩擦熱で透明になる新開発の「フリクションインキ」を使っているということだ。蛍光色のインクで書いた跡を、ペンの尻についた灰色のプラスチックでこすると、あら不思議消えてしまう。インクが摩擦熱で透明になっただけで、紙の上から剥がしとられたわけではないから、消しカスがでないということになる。 「フリクションインキ」は、６０度以上で透明になり、−１０度以下で色が元に戻るインクだ。だから、一度インクを消した紙を、冷蔵庫の冷凍室に入れておくと蛍光インクの色が戻るのだろう。 このインクは２００２年１１月にパイロットが発売した色が変わるゲルボールペン「イリュージョン」に使われていた「メタモカラーインク」と同じ原理のものだと思う。 黒インクが赤や青に変わっても、面白くもおかしくもないけれど、透明になるというのは画期的で、応用範囲が広くなった。売れずに廃盤となった製品の基礎技術を、失敗から、新しいインクに作り上げたというところがすばらしい。 （文具と事務機 2007年1月号掲載） |