|
■トンボ鉛筆 ＡｉｒＰｒｅｓｓ ノック式加圧油性ボールペンの「エアープレス」がトンボ鉛筆から発売になるというプレス発表を見たとき、「おっ、トンボ鉛筆も、三菱鉛筆に続いて日本で三社目の加圧油性ボールペンを発売することになったか」と喜んでしまった。でも、良く読んでみると、「ノックするたびに中芯内の気圧を高めてインクの出を加速する」とあって、勘違いだった。 「エアープレス」がアメリカのフィッシャー社の「スペースペン」のように中芯に窒素ガスを封入してインクを後ろから押す方式と違い、ノックしてペン先がでる時に加圧して、ペン先を戻すときには圧力が元に戻るというものだった。 圧力がそれほど高くないので、インクの出が良くなって、上向き筆記が可能なるだけだ。氷点下の環境や高い山での利用は難しいだろう。それでも工事現場や野外調査などで使えるように、太いラバー軸にしたり、しなやかな金属線を使ったグリップにしたりと工夫している。 もし野外で使うことを考えると、レフィルが非常に短くインクの量が少ないことは致命的な欠陥となる。「エアープレス」のレフィルがどこでも手に入らないだろう。工事現場用のデジカメは充電器がなくていいように、田舎の雑貨屋でも買える単三電池仕様になっている。もう一つ、本体の長さが短いことだ。作業服のちょっと大きめの胸ポケットの中で横になってしまうと、取り出すことがとても大変だ。これは経験しなければわからないだろう。紐で首から下げるのは、モーターなど回転するものが多い場所では、非常に危険だ。デザインは良いのに残念だ。 （文具と事務機 2008年4月号掲載） |