■パイロット　フィードAG パイロットの多軸ボールペンのフィードシリーズに、新たに「フィードAG」が追加された。AGというのは、「エアログリップ」の略ということだ。 普通のボールペンのグリップは、硬い軸の上にゴム製のグリップを被せたものだけれど、「エアログリップ」は、グリップが軸と一体なって全体が柔らかな素材でできていて、内部にスリットが入っている。グリップを握ると、握った力で軸の形が変化して、適度な弾力とホールド感が得られるということだ。 でも、実際に「フィードAG」を使ってみると、きたきつねの指の力が強すぎるのか、軸の中にあるボールペンの中芯が指先に触れて凸凹して使いにくい。筆圧が強いと、グリップが微妙に動く。人の指先は非常に敏感なので、筆記具はグリップの微妙な感触が重要になる。その点からいうと「フィードAG」は、きたきつねにとってあまり快適なボールペンということはできない。 また、使っているうちに、中芯が動いてちょっとしたタイミングで、エアグリップのスリットと中芯同士が絡んでしまい、ペン先を出し入れするスライドレバーが動かなくなることが時々起こる。滅多に無いけれど、これは気になるところだ。 確かに、多色ボールペンは軸の太さが太くなりがちなので、軸を太くすることなく適度な厚さのグリップを付けることが難しい。その点、軸全体をグリップにしてしまうというアイでは一つの解決策ではある。でも、「フィードAG」のエアグリップはもう少し工夫の余地があるのではないだろうか。 （文具と事務機 2008年7月号掲載） BACK　　HOME