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■パイロット アクロボール ずいぶん前から各筆記具メーカーが、油性ボールペンのインクを滑らかにする努力を続けていて、国産油性ボールペンの書き味は滑らかになってきていた。そこに２年前、世界一滑らかな油性ボールペンとして三菱鉛筆から「ジェットストリーム」が発売となり、爆発的に売れているらしい。きたきつねも、手元にある油性ボールペンは、全て「ジェットストリーム」の中芯を入れるようになってしまった。 「ジェットストリーム」で勝負があったと思っていたところに今年の９月にパイロットからカスレがなく滑らかな書き心地の油性ボールペン「アクロボール」が発売された。やはり筆記具の大手としては、売れ筋のラインを放っておくわけがない、さすがである。 早速、「アクロボール」を使ってみると、滑らかさでは「ジェットストリーム」に負けているけれど、「アクロボール」の書き出しの微妙な摩擦がなんともいえない良さがある。人の手の感覚は不思議なもので、スルスルと滑るような滑らかさがいつもいいというものではないらしい。きたきつねにとっては、書き始め、途中、書き終わりと微妙な滑らかさの変化が必要のようだ。 ボールペンも、油性、ゲル、水性など色々な種類があって、滑らかな油性インクが出たからといって、従来からのインクが好まれないかといえばそうでもないようだ。滑らかな油性ボールペンに「アクロボール」が加わって、ユーザーに新たな選択肢が提供されるようになったということになる。 （文具と事務機 2008年10月号掲載） |