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■ぺんてる ビクーニャ 世界最低粘度の油性インクのボールペン「ビクーニャ」がぺんてるから発売された。これで、低粘度油性インクの三菱鉛筆の「ジェットストリーム」やパイロット万年筆の「アクロボール」をインクの粘度で物理的に越えたことになる。 「ビクーニャ」を使ってみたけれど、これまで一番低粘度の油性インクと思われる「ジェットストリーム」よりは確かに滑らかな書き味だ。しかし、滑らかさに極端な差がある訳ではない。 これまでも、筆記具メーカーがボールペンの油性インクの粘度を調節して滑らかなインクにするために工夫を重ねてきている。１０年ほど前に新インクというジャンルの低粘度の油性ボールペンがオート、ぺんてる、ゼブラ、パイロットなど各社から発売されている。これらのボールペンも、従来の油性インクと比べると、はっきりと滑らかさが違っていた。 油性ボールペンのインクを低粘度にすることは書き味を良くするということなのだろうけれど、粘度の目標はどこになるのだろうか。最終的には万年筆の書き味を狙う。ことになるのだろうか。 単純に滑らかさだけからいうと、水性インクやゲルインクのボールペンの方が滑らかだろう。でも、油性インクは、油性ならではの書き味があるので、油性ボールペンのファンというのが存在している。むりやりインクの物理的な粘度を追い求めるのではなく、それぞれのインクの特性を上手くいかした書き味のボールペンを追求すべきではないだろうか。 （文具と事務機 2010年3月号掲載） |