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■ゼブラ スラリ 油性ボールペンの低粘度競争もぺんてるの「ビクーニャ」で終わりかと思っていたが、ゼブラからエマルジョンインクという新しいジャンルの世界一滑らかなボールペン「スラリ」が発売された。 エマルジョンインクというのは、油性のインクを水中に乳化分散した印刷用インクとして印刷業界で以前から使われているので、それほど目新しいものではない。プリントゴッコのインクがエマルジョンインクだ。エマルジョンは、牛乳、マヨネーズ、木工用接着剤、アクリル絵の具など色々なところで使われている。 ボールペンのインクは、油性、水性、ゲルの３種類が使われてきたが、エマルジョンインクを使った例はない。したがって、スラリは世界初の新インクのボールペンということになる。スラリのインクは、印刷用のインクとは逆に、水を油性インクの中に分散させたもので、実際にスラリを使ってみると、確かに水性ボールペンのように非常に滑らかだけれど、これまでの油性ボールペンのように紙をしっかり捉えた書き味となっている。何よりも価格設定を１０５円という、廉価に設定した点は高く評価できる。 新しいインクに合わせたペンチップも開発したらしいが、インクのボテが多いのが気になる。これまでにない新しいエマルジョンインクだから、これまでに想定できない新たな現象があるかもしれないので、ペンチップなど今後の改良に期待したい。 （文具と事務機 2010年6月号掲載） |