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■オート i-Fitインク 三菱鉛筆のジェットストリームで始まった油性の低粘度インク競争も、パイロットのアクロボール、ぺんてるのビクーニャ、ゼブラのスラリと主要メーカーが出そろって打ち止めかと思っていたが、オートから「アイ・フィット・インク」が発表された。オートは、以前から油性の低粘度インクを出していたので、「アイ・フィット・インク」が出てくるのは時間の問題だったのだろう。 「アイ・フィット・インク」は、単純に低粘度を競うのではなく、滑らかな書き味でしっかり書ける「最適粘度油性インク」という新たな表現を使っている。確かに、低粘度過ぎると、滑らかだけれど、きちっとした文字が書けなくなるようだ。そこが各メーカー工夫しているところだろう。きちっとした文字が書ける適度な滑らかさというのがあるはずだというのがオートの主張になるのだろう。 もうひとつ、これま発売された低粘度インクの油性ボールペンは、軸を含めた一つのブランドとして展開している。そのためレフィルも専用のものが多くなっている。ところが、オートは「アイ・フィット・インク」を今秋発売の新製品のボールペン全てに対応させるらしい。ユーザーにとってみれば、愛用の軸で使えるインクのバリエーションが増えるという意味では「アイ・フィット・インク」は歓迎すべきものだと思う。 さて、まだ油性の低粘度インク競争は続くのだろうか。 （文具と事務機 2010年8月号掲載） |