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■文房具ブームを生かして定番商品の掘り起こし このところ、雑誌、テレビなどで文房具に関する情報が非常に多くなっていて、確実に何度目かの文房具ブームが到来したことに間違いないだろう。不思議なのは、文房具関連団体の動きが鈍いことだ。業界紙での団体の総会などの記事をみても、認識をしているようだが、特にアクションがないのが不思議だ。 それはそれとして、業界はこの文房具ブームを千載一遇のチャンスとしなければならいだろう。残念なことに、マスコミに取り上げられるのは、新製品ばかりに偏る傾向があるけれど、定番文房具や隠れた名品を掘り起こしてさらに市場を拡大することも必要ではないだろうか。 定番商品は安定して売れているからと安住するべきではない。ロングテールな商品にも目を向けるべきだろう。ツバメノートのように、古いデザインを生かしながら、新しいサイズの展開をはかることによってノスタルジーではなく、若い層への訴求に成功している例もある。測量用野帳や製図用品のように、一部専門家向けの商品でも使い方の方向を変えていくと、新しい需要が喚起できるのではないか。小さな文具店が、測量野帳にゴムバンドを付けて、紙や写真などを貼り込んでも開かないように工夫してトラベラーズノートのようにしたものを売り始めている。表紙の色をアウトドアやタウン・ユースをターゲットにして変えるとか、測量以外にも使えるよう中の罫を工夫するといったことも可能だろう。メーカーには頑張って欲しい。 （文具と事務機 2011年12月号掲載） |