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■柳の下にドジョウはいない 文房具ブームは順調に続いているようだけれど、最近気になることがでてきた。ここにも書いたけれど、雑誌とムックでも文房具が頻繁に取り上げられるようになってきた。このことは、非常に良いことだと思っていたけれど、柳の下のドジョウを狙って次々と雑誌の特集やムックが発行されるようになってしまった。 いずれも、先行の雑誌の特集を真似したり、メーカーのカタログを引き写ししたりした内容で、オリジナリティーも無く同工異曲に落ち入ってしまっている。最近見た雑誌の特集は、金太郎飴のように、同じ製品、同じ店舗とどこを切っても同じようで、フリーペーパーのBun2の方が優れていると思ってしまった。そのようなものを何冊も買うものだろうかと思ってしまう。 １９８０年代後半の文房具ブームの時も、今と同様に雑誌の特集やムックが発行されたが、現在程の数ではなかった。それでも「見る、選ぶ、使う−−−文具の流行情報誌」というキャッチフレーズで「B-TOOL」という雑誌まで創刊されたが、５年も保たずに廃刊になってしまった。 「B-TOOL」に見るように、今後ムックや雑誌の特集を続けていくのであれば、カタログ的な内容から脱し切れないと、先細りになってしまうのだろう。文房具ブームに水を差さないように、出版社は考えて欲しいものだ。 （文具と事務機 2013年4月号掲載） |